
M3 Lee 中戦車 (アメリカ)
M3中戦車のアメリカバージョン。姉妹戦車でイギリス軍バージョンがあって、そちらはグラントって言います。違いは上部の回転砲等。イギリス軍は無線機を砲塔内に配置するのが通例で、アメリカ軍仕様では使いにくいので、無線機が収納できる専用の大型砲塔が付いています。
車体右側張り出しに 75mm 砲が備え付けられ、上部に全周旋回37mm砲、さらに上に機関銃の3段砲塔です。変則的な形で、なかなか不細工。砲がたくさんあった方が強い・・・と思っていたワケではなく、当時のアメリカは、全周旋回75mm砲を作れなかったからこの形になっただけです。
それで、なぜこの中途半端な戦車が作られたかというと、イギリス軍は、もっと中途半端な戦車しかなかったから。固定式でも75mm砲の付いた戦車が欲しかったし、全周旋回75mm砲を搭載したシャーマン戦車が完成するまで我慢できないくらいイギリス軍はドイツ軍に苦戦し消耗していたワケです。
レンドリース法によりリーやグラント戦車をイギリス軍に提供したアメリカも、シャーマン戦車の完成により、今度はシャーマン戦車をイギリス軍に提供。さらにアメリカは武器提供だけじゃなく、1942年に第二次世界大戦に参戦、11月には北アフリカに上陸作戦を決行します。しかし、イギリス軍にシャーマン戦車を提供しすぎたせいで、アメリカ軍の戦車部隊に配属するシャーマン戦車がないというありさま。上陸作戦はすでに旧型となったグラント戦車とスチュアート軽戦車という編成でした。
ちなみにアメリカは第1次世界大戦に参戦していませんので、内戦である南北戦争を除いて戦争経験がない国なんですね。そして、はじめての戦争の相手は百戦練磨のドイツ軍。当時最強と言われたタイガー戦車まで持ち込んできます。チュニジアで戦闘になるワケですが、数では圧倒的に勝っていた連合軍ですがコテンパンにやられます。1ヶ月間に183両の戦車が撃破されたワケですから、最初の上陸部隊はほぼ全滅ですね。
今回の作例は、チュニジア時のグラントにしてみました。北アフリカの戦場にグリーンの塗装ってどうよ?とか思いますが、実際も相当目立ったようですよ。
